神楽坂コラム
#1 アーティストの心意気
会場となるのは、いわゆる劇場やホールではない場所です。神楽坂の通りや路地、お寺や神社の境内など屋外でのパフォーマンスは、主催者側としても十分な対応がむずかしい旨をお伝えしているのですが、アーティストの皆さんのマインドが熱いのです。プログラムの内容を伝えただけで「ぜひ出演させてほしい!」と快諾いただけることがほとんどです。さらに、出演者同士がイベント現場で再会し、ジョイントライブをすることになったなどと聞くと、うれしいですね。
#2 驚きと羨望の的?
全国自治体の文化事業や公共ホールの担当者にこの「神楽坂まち舞台」のご紹介をすると、「どうしてそんなことができるんですか?」と、皆さん驚きと疑問を投げかけてきます。それから「私たちのまちでもできるものなら…」と羨望の念を表わされます。神楽坂でできていることが、ややもすると普通だと慣れてしまいがちですが、実際に実施する段になるとたいへんなことなんだと思いました。神楽坂の条件が恵まれすぎているのかもしれませんね。
#3 より深く楽しむための連携企画
このイベントで協力いただいているのが、お寺や神社、商店主や、地元企業、ボランティアなど実に多種多様な人々です。そこで知り合ったどの人々も、好意的に対応してくれるのに驚いています。中でも皆さんおっしゃるのが、ボランティアの方々がすばらしいこと。自主的に語学通訳を手伝ってくれた方は、神楽坂の魅力にふれて「もっとちゃんと神楽坂のことや、伝統芸能について知りたい!」と話されていました。こうした声を受けて、今年度は、連携企画として「伝統芸能講座」を開催します。この連携企画に参加すると、本イベントの楽しみがぐっと深まるかもしれません。
#4 熊本地震で工房は倒壊したが……。
例年、毘沙門天善國寺の境内で竹あかりを使った魅力的な演出をしてくださっている「CHIKAKEN」(ちかけん)さん。熊本を拠点に活躍なさっていて、昨年も熊本の工房で制作し、神楽坂まで竹を運んでの演出となりました。しかし今年2016年4月、熊本地震で工房が被災。今回の参加は難しいかと思われていました。やっと連絡がつき、状況をおききすると、工房が倒壊したにもかかわらず、演出を引き受けてくださいました。遠く熊本の復興と神楽坂まち舞台を、「CHIKAKEN」竹あかりが繋ぎます。